ロンジェビティクリニックが続々誕生|著名人による健康長寿No.1レース

ロンジェビティクリニック

健康長寿研究の黄金時代とロンジェビティクリニックの誕生

ロンジェビティクリニック設立ラッシュの現在、私たちは健康長寿研究の黄金時代の真っ只中にいます。
特に富裕層を中心に、定期的な医療検査を通じた加齢関連疾患の予防への関心が急速に高まっています。
この現象にいち早く注目したのが、シリコンバレーなどの大物投資家たちです。
彼らは新たな需要、つまり最適な老化(Optimal Aging)を目指す予防医療に応えるべく、次々と「ロンジェビティクリニック」を立ち上げています。

中でも注目されるのが、以下の3つのクリニックです。

これらの取り組みの詳細を見ていきましょう。


ピーター・アティア氏のロンジェビティクリニック スタートアップ「Biograph」

Biographは、長寿研究の第一人者ピーター・アティア氏が共同創業したロンジェビティクリニックです。
公式サイトでは「最先端の予防医療・診断クリニック」と謳われており、シリコンバレーに拠点を持ち、ニューヨークにも開設予定です。

共同創業者には、サイバーセキュリティ企業Lookoutの創業者として知られるジョン・ヘリング氏も名を連ねています。

Biographでは、30以上の評価項目から1,000以上のデータポイントを取得し、クライアントの健康プロファイルを包括的に分析、寿命の最適化を目指します。

ただし、料金は非常に高額です。

  • 基本メンバーシップ:年会費7,500ドル
  • プレミアム「ブラック」メンバーシップ:年会費15,000ドル

Biographは、VyCapitalHuman Capital、AlphaWave、WndrCoといった企業や、バラジ・スリニバサン氏ら著名エンジェル投資家から出資を受けていますが、調達金額の詳細は公表していません。

設立の背景には、VyCapitalのアレクサンダー・タマス氏が若くして甲状腺がんを早期発見した経験があり、この経験がBiograph設立の動機となったと言われています。

なお、Biographの利用者の15%以上が「緊急性または生命に関わる健康問題」を発見できたと報告しており、寿命延長や重篤疾患予防への貢献が期待されています。

現在、AI(人工知能)活用について公式には触れられていませんが、求人情報では「AIエンジニア」を募集しており、今後AI活用が進む可能性があります。


マット・ケイバーライン氏のOptispan

老化研究の権威であるマット・ケイバーライン氏によるスタートアップ、Optispanも注目を集めています。

Optispanのコンセプトは、

  • 失われた10年(Lost Decade)」の回復
  • 長寿配当(Longevity Dividend)」の獲得

失われた10年とは、加齢に伴う障害で苦しむ晩年の約10年を指します。
Optispanは、予防医療によってこの失われた期間を取り戻し、さらに寿命延長を目指しています。

提供されるサービスには、以下が含まれます:

  • 健康プロファイルに基づく専門家との相談
  • 独自の長寿バイオマーカー(詳細は非公開)
  • 個別介入プログラムの作成と効果測定

料金は公式には公表されていませんが、業界標準に照らし合わせると年間数千ドル程度と推定されています。


J・クレイグ・ベンター氏のHuman Longevity

J・クレイグ・ベンター氏(ヒトゲノム解読のパイオニア)は、2013年にHuman Longevityを共同設立しました。

このロンジェビティクリニックは、

  • ゲノム解析
  • 詳細な体内イメージング
  • 先進的なバイオマーカー評価
    を通じて、個人に最適化された予防医療を提供しています。

ターゲットは、心血管疾患、代謝障害、がん、認知症といった致命的疾患の早期発見と予防です。

提供プランと料金は以下の通り:

  • フルボディ検査:25,000ドル
  • Coreパッケージ(ゲノム解析+血液・代謝分析):7,500ドル
  • Platinumパッケージ(より詳細な解析付き):19,000ドル

富裕層と一般層の格差問題

このような長寿志向クリニックの台頭は、
Function HealthAndreessen Horowitz出資)や、
Retro Biosciences(OpenAIのサム・アルトマン支援)といった新興企業にも広がっています。

ただし、年間数千~数万ドルもの費用は、依然として富裕層向けです。
今後、一般層にも手が届く価格帯に広がるか、それとも格差が固定化されるかは、まだ未知数です。


ロンジェビティクリニックブームのまとめ

  • 健康長寿医療分野は富裕層中心に急速に拡大中
  • 先進的検査・ゲノム解析・AI活用がカギ
  • 一方で「富裕層とその他」の格差拡大リスクも懸念される

今後、これらの動向がどのように社会に影響を与えるか、注目されます。

参考サイト:nmnドットcom

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